読書案内
沖本富貴子 編著 発行アジェンダ・プロジェクト 1200円
―軍人・軍属を中心にして―
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島民の4分の1が犠牲になった悲惨な沖縄戦に朝鮮人がどのように関与させられていたのか、本冊子はこれまで断片的に発表されてきた多くの文献・報告書・マスメディアの資料などを集約して整理することによって明らかにしようとしている。
歴史の闇を
掘り起して
著者は沖縄線に関連する朝鮮人を4分類している。@性奴隷として連れてこられた女性たち(143カ所の慰安所が確認されている)A業者に雇われて連れてこられた労働者B軍人・軍属として動員された人C沖縄に移住していた人たち(41戸88人)。しかし、様々な証言は残ってはいるものの、慰安所に連れてこられた朝鮮人の数や、業者に雇われた朝鮮人労働者の実態は、そのほとんどが歴史の闇の中に葬り去られている。「軍人・軍属を中心にして」という副題は、そうした状態を反映したものだ。
日本の敗戦が必至の中で戦われた沖縄戦は、死を覚悟した日本軍による沖縄人(2等国民)と朝鮮人(3等国民)に対する差別と残虐性むき出しの世界を生みだした。沖縄戦に動員された朝鮮人のなかでも特筆されるのは、総員約2800人からなる慶尚北道から強制連行さながらに徴用された「特設水上勤務第101〜104中隊」だ。
彼らは物資の陸揚げなどの港湾業務、陣地構築にあたっての丸太運びなどの力仕事に動員されて、隊内では「軍夫」として差別され、まともな食事も与えられないまま処刑を含む虐待をほしいままにされた。やせ細り腹をすかせた朝鮮人たちに同情して「いもを与えた」というウチナンチューの証言が多数あげられている。そのあげく彼らは戦闘が始まると、戦闘要員として動員されたのであった。
動員しながら
調査せず放置
資料などを基にした本書での集計によると、軍人・軍属として動員された朝鮮人は、陸軍が3191人、海軍が270人の計3461人だ。その内701人が死亡している。韓国政府が2005年から申告を受けて実施してきた調査では、動員認定者は2644人で、死亡・帰還後死亡・行方不明者は725人となっている。また日本の厚労省が死亡認定している数は400人程に過ぎず、糸満市にある「平和の礎」に刻印されている朝鮮人も464人(20年6月現在)で、動員しておきながらその後の調査を怠ってきた日本政府の責任は重大である。
研究集会報告
に加筆し編集
本書は18年3月に沖縄大学で開催された「第11回強制動員真相究明全国研究集会・沖縄」での、沖本富貴子さんによる報告を加筆、編集したものである。私は辺野古座り込みでたまたま沖縄に滞在していたということもあって、この日の研究集会と翌日の本島南部戦跡バスツアーにも参加させてもらった。韓国からも10人ほどの研究者や活動家が参加していたと記憶している。 (鶴)
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